臨床心理士は心理カウンセラーとしてカウンセリングを行います。メンタルヘルス専門家としてクライアントからの期待は大きく、仕事や家庭、病気や生活等多くの事柄がカウンセリングの話題になります。クライアントは聞いて欲しい、理解して欲しいという気持ちでカウンセリングに来るのでまずはじっと黙ってクライアントの言う事を受容して傾聴します。
クライアントはそれまでは誰にも話せなかった事柄を批判されずに聞いてくれるという安心感から様々な話をします。中には浮気等倫理に反している事をクライアントがしている事を打ち明けられる事もありますが、守秘義務で守られている事を説明し、ここでは安全に話が出来るという思いはクライアントにとって何よりの支えになります。
きちんと共感されているという気持ちは励みにもなります。それは大変辛かったに違いないでしょうし良く勇気を持って話してくれましたねという言葉掛けは相手を安らがせます。
相手を安心させることは大切ですが、マイナス思考に陥ってしまいがちな人に対しては認知行動療法を行い、0か100かの極端主義の歪んだ認知を正しい方向に引き戻し常識的な思考法を可能にします。認知が変われば感情も変化して自分を認めることが可能になります。そうすると行動がプラス方向に変わり、治療に向かって行くのです。
催眠療法も短期療法として脚光を浴びつつあります。イメージ療法、認知療法、古典的精神分析療法と様々な学派と技法で治療は行われます。最近ではそれらの技法からエッセンスを抽出した上でPTSD治療に特化したEMDRという眼球運動による精神療法がカウンセリングの世界で注目されています。