ドクターショッピングとセカンドオピニオンはどう違うのか

ドクターショッピングとは、別名「青い鳥症候群」とも言われるもので、患者が医師の診断や治療方法などに満足出来ず、次々と医療機関を変えることを指します。最初に診察を受けた病院で思うような診断が出ず、詳しい検査もしないまま、違う病院へ行き同じ症状を訴えます。それでも満足できず、また違う病院へと転院を繰り返すその様が、主婦が安いものを求めてスーパーマーケットを何件も回る姿に似ているため「ショッピング」の単語が付きます。診断が困難な病気を患っている場合や、患者自身にとって都合の良い診断が下るまで病院を回る場合など、様々な原因が考えられていますが、共通していることは「根拠も無く、理想の医療を追い求めている」という点があげられます。

また、最も問題視されるのは、患者が薬物依存状態だった場合です。本来、向精神薬は法律で処方量の上限が決められています。しかし一医療機関で処方される薬では満足できず、次々に新しい医療機関を受け向精神薬を手に入れようとする場合があります。もちろんこの行為は薬事法などに違反するので、医療機関にとっても注意すべき事項になります。

では、一見似ているセカンドオピニオンとの違いは何かというと、セカンドオピニオンは「判断材料を得るため」に行う行為という点です。例えば、現在診察を受けている病院から「手術をしましょう」と言われたものの、他にもっと違う治療方法が無いかと考え、違う病院へ行き「手術は本当に必要なのか」「他の治療は出来ないのか」など、自分の提示された治療方法が妥当かどうか医師に相談します。この際に、複数の医師から手術を勧められた場合は、やはり手術を行うことが最善策と考えられますし、その他の方法を提案されたのなら、現在通っている病院でそのことを説明し、違う治療法の提案や、違う病院を紹介してもらうことが出来ます。つまり「治療方法を客観的に判断するため」に行うことなので、患者自身が積極的に行うべきことであり、医療機関と患者の信頼関係を強くすることにも繋がります。